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[コロナ禍の8・6] 式典遺族代表24人予定 参列者席 例年の1割 広島市概要発表

 広島市は9日、8月6日に平和記念公園(中区)で営む平和記念式典の概要を発表した。新型コロナウイルスの影響で都道府県の遺族代表の参列予定者は現時点で24人と、昨年の23人に次いで2番目に少ない。感染防止のため、参列者席は昨年と同様、例年の1割の最大880席に減らす。市民には密集を避けるために来場自粛を呼び掛ける。(久保田剛)

 市によると、遺族代表の参列は24都府県の各1人。新型コロナが影響した昨年を1人上回ったが、それ以前に最少だった36人(2017年と19年)は大幅に下回った。24人の平均年齢は70・9歳で、最高齢は90歳、最年少は56歳となる。

 各国代表は昨年実績と比べて10カ国多い93カ国から出席の連絡があり、欧州連合(EU)の代表も予定する。このままなら被爆70年の節目だった15年の100カ国に次ぐ多さとなる。

 核兵器保有国は米国、ロシア、英国、フランス、インド、イスラエルの6カ国が出席、中国とパキスタンの2カ国が欠席と答えた。在日大使館がない北朝鮮には案内を送っていない。

 式典は午前8時から50分間。「平和の鐘」を突く遺族代表は、東区の村田英美さん(58)と、八幡東小6年石田渚さん(11)=佐伯区=が担う。「平和への誓い」は、袋町小6年伊藤まりあさん(12)=中区=と、五日市東小6年宅味義将さん(11)=佐伯区=が読む。

 昨年は見送った高校生による吹奏楽と合唱は、例年より規模を縮小して行う。松井一実市長の平和宣言後のハトを放つ行事「放鳩(ほうきゅう)」は2年ぶりに再開する。

 参列席は感染予防のために間隔を2メートル空け、例年の1万1500席から絞り込む。一般席や全国から平和学習で訪れる小中学生たちの席は設けないという。

 市役所で記者会見した市市民局の橋場忠陽次長は「来場者は少ないが、できる限り平和のメッセージを発信する。市民の皆さんには、中継などを通じて、それぞれの場所で祈りをささげてほしい」と語った。

(2021年7月10日朝刊掲載)

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