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バッハ会長訪問 反対ウェブ署名 広島の有志始める

 国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が16日で調整している広島市訪問を前に、市民たち有志が反対のウェブ署名を始めた。新型コロナウイルス禍での東京五輪の開催に批判的な立場から、「平和の祭典」としてのアピールに被爆地が利用されかねないと主張している。4日目の9日夕時点で4千人が賛同した。

 訪問が見込まれる7月16日は国連で採択された「五輪休戦決議」の開始日。また、76年前の1945年に米国が人類史上初の核実験を米西部ニューメキシコ州の「トリニティ・サイト」で実施した日でもある。

 これらを踏まえて呼び掛け文は、コロナ禍での五輪開催は「人々の健康や命の軽視で、平和の祭典ではない」と強調。訪問日を巡り「配慮さえできないことにIOCの平和への無関心さが表れている」と訴える。

 広島市民たちの有志グループが署名サイト「Change.org」で始めた。「今からでも遅くないので、広島県や市は訪問を断ってほしい。中止を求める市民の思いを示したい」と呼び掛けている。(宮野史康)

(2021年7月10日朝刊掲載)

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