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平和コンサート若者にバトン 8・6前夜祭 元安川で演奏

「地球ハーモニー」衣替え 15組手弁当で参加

 原爆ドームを望む広島市中区の元安川親水テラスで8月5日、新しい野外コンサートが第一歩を刻む。昨年まで15年間、音楽で平和をアピールしてきた「地球ハーモニー」が資金難などで幕を閉じ、若手アーティスト有志が舞台を継承。多彩な15組の音色で原爆の日前夜を彩る。(松本大典)

 「HIROSHIMA8・6前夜祭 PEACEコンサート」と題し、地元の民族音楽バンド「SEiREN」の前田斗亜さん(32)が企画。出演したかったという地球ハーモニーがなくなると聞き、4月に友人と実行委員会を設けた。

 酒井俊さん、Macoさん、李翔雲さんたち地元や東京で活躍する歌手やバンドが手弁当で参加。プロ、アマ入り交じり、ポップスやジャズ、クラシックをつないで午後2時から9時まで響かせる。

 企業の協力を得て、台船ステージを浮かべるなどの試みも。前田さんは「演奏自体が平和の象徴。大人も子どもも一緒に命の尊さを語り合える場にしたい」と意気込む。

 1998年に始まった地球ハーモニーは元安川の親水テラスで音楽家がリレー演奏し、原爆の日恒例のとうろう流しと連動するなど親しまれた。だが、運営への公的支援などがなくなったという。仕掛け人のジャズピアニスト河野康弘さん(59)=京都市=は「資金的に厳しくなり区切りをつけた。地元の若い音楽家たちが後を継いでくれてうれしい」と感慨を込めた。

(2013年7月31日朝刊掲載)

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