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「ヒロシマ伝える契機」 映画「8時15分」の意義議論 安田女子大で通訳専攻の8人

 安田女子大(広島市安佐南区)で通訳を専攻する4年生8人が、映画「8時15分 ヒロシマ 父から娘へ」が持つ意義について授業の中で意見を述べ合った。学生たちは、昨年11月の広島国際映画祭で上映された際、パンフレットの英訳に協力するなどして同作品と関わっている。

 田中美穂さん(21)は主人公役の日本人俳優が英語で語っていたことに着目し、「見る人が原爆を自分ごととして捉えるよう促す効果がある」と話した。「原爆投下を非難する場面はないが、純粋に核の恐ろしさと人を思いやる大切さを伝えていた」などの意見も出た。

 学生たちは半年間の米国留学を経験しており、現地でヒロシマを伝える難しさを痛感したという。高祖あみさん(22)は「この映画は核の残酷さが視覚的に伝わりやすく、話題づくりのきっかけになる」と話した。指導するジョン・マクリーン准教授(46)は「対話は平和を築くために大切。通訳者には大きな役割がある」と述べていた。(湯浅梨奈)

(2021年7月13日朝刊掲載)

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