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毒ガス弾?放置 広島県と竹原市 国などに安全対策を要請

■毒ガス問題取材班  旧日本軍の毒ガス工場があった竹原市大久野島沖で1月、毒ガス弾とみられる不審物が見つかった問題で、広島県は11日、早急な安全対策を求める藤田雄山知事名の要請書を斉藤鉄夫環境相あてに提出する方針を決めた。地元竹原市の小坂政司市長も同様の要望書を出す。

 県と市は12日、岡山市の環境省中国四国地方環境事務所を訪れ、池田善一所長に手渡す。県は要請書で①不審物の早急な調査②安全確保に必要な措置③調査後の撤去-などを求め、発見された約20個だけでなく、周辺海域の海底調査に踏み切るよう訴える。

 県の抹香尊文(まっこうたかふみ)危機管理監は「毒ガス弾なのか否か特定すらしていない状態で安全かどうかは確認できない。一地域の問題ではなく、国の責任で早急に処理すべきだ」と強調している。

 竹原市は要望書に、周辺住民の安全安心を守るため調査後は適切な措置を実施することや、今後同様の事態が起きたときに迅速に対応するよう明記する。

 12日は、竹原市の小坂市長に県危機管理課の本瓦靖課長が同行する。

 毒ガス弾とみられる不審物は、環境省の海底送水管敷設事業に伴う、着工直前の海底磁気探査で1月19日に見つかった。連絡を受けた海上自衛隊が「化学兵器の疑いがある」と写真で判断したが、4カ月近くたった今も、環境省と防衛省のどちらが現地調査や処理をするのか、法的な責任があいまいなことを背景に宙に浮いたままになっている。

(2009年5月12日朝刊掲載)

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