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本土訓練拡大に危機感 追加オスプレイ岩国搬入 市民ら陸海で抗議行動

 垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが再び陸揚げされた岩国市の米海兵隊岩国基地。周辺では30日、市民ら約150人が怒りの声を上げた。「オスプレイはどこにもいらない」。第2陣となる12機の搬入で、岩国の基地機能強化や本土訓練拡大に危機感を抱き、陸上や海上で抗議行動を展開した。

 午前7時すぎ、12機を積んだ輸送船グリーンリッジが基地港湾施設に静かに接岸した。「搬入・配備が完了し、全国で訓練が始まれば岩国だけの問題ではすまない。岩国への駐機が将来、恒常化するおそれもある」。「愛宕山を守る会」の岡村寛世話人代表(69)は、昨年と同じ光景を基地の対岸から目にして、唇をかんだ。

 午前8時15分には輸送船からの陸揚げが始まった。2機目が降ろされた午前10時ごろから参加者は堤防道路約1キロで約1時間20分間もデモ行進。防府市の主婦草地妙子さん(35)は「岩国の搬入が沖縄や全国の訓練につながると思うと、県民として申し訳ない」と強調した。

 昨年の先行搬入時の抗議行動で約600人いた参加者は今回4分の1に減った。「関心が薄れると基地機能強化が進められる可能性がある」。ピースリンク広島・呉・岩国の新田秀樹世話人(49)は指摘し、ゴムボートなど8隻で海上に。「日本で訓練するな」と約2時間叫び続けた。

 12機の陸揚げは午後5時前に完了。最後まで監視した岩国基地の拡張・強化に反対する広島県西部住民の会の坂本千尋事務局長(60)は「今も米軍機が使用する中国地方の空域をオスプレイが使わないはずがない」と危機感をあらわにした。

(2013年7月31日朝刊掲載)

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