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「妥当」「救済 国の責務」 「黒い雨」判決 地元国会議員

 一審に続いて原告全84人を原爆投下直後の広島に降った「黒い雨」の被害者と認めた14日の広島高裁判決に、広島県を地盤とする国会議員からは「妥当な判決」「国は上告せず早期解決を図るべきだ」との声が上がった。

 自民党の被爆者救済と核兵器廃絶推進議員連盟で代表世話人を務める寺田稔氏(広島5区)は「原告それぞれの症例を緻密に見た上での判決で評価できる」と指摘。国の援護対象区域(大雨地域)を再検証するため、厚生労働省が昨年11月設置した有識者会合に関し「区域の再検証も必要だが、いま急ぐべきは被害者救済だ」と訴えた。

 同議連事務局長の平口洋氏(広島2区)も、被害者救済の必要性に一審判決からさらに踏み込んだ控訴審判決で援護対象区域の設定に対する疑問が強まったとし、「国は上告せず、早く被爆者と認めてほしい」と求めた。

 公明党の斉藤鉄夫副代表(比例中国)は「黒い雨の被害者は健康不安や不公平感の中で苦しんできた。人道的視点に立った政治判断があってしかるべきだ」と強調した。

 立憲民主党の森本真治氏(参院広島)は国が上告した場合の時間の浪費を危ぶみ、「いま救うべき人を一日でも早く救うのが国の責務ではないか」と、菅義偉首相の政治決断を求めた。(下久保聖司、桑原正敏、樋口浩二)

(2021年7月15日朝刊掲載)

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