「九一式射撃盤」お披露目 呉 戦艦大和搭載の前機種
21年7月15日
旧海軍で主砲の照準を合わせるために使われていた射撃盤が大和ミュージアム(呉市)に寄贈され、14日に同館で除幕式があった。2019年に神奈川県横須賀市の在日米軍基地内の地中で見つかり、製造元の愛知県の会社から贈られていた。(池本泰尚)
長さ約150センチ、幅約116センチ、高さ約85センチの箱形で、重さ約3・2トンの「九一式射撃盤」。さびたり朽ちたりしているが、数字の書かれた目盛りや、ハンドルが当時の面影を残す。同館によると、1931年に2基製造されたうちの一つで、旧海軍横須賀砲術学校で使われていたものとみられるという。
射撃盤は、戦艦の主砲を撃つのに必要な指示内容を導き出す計算装置。敵艦の速度や潮流、風の強さなど約20項目をダイヤルで入力すると、歯車が動き、主砲の角度などの情報が載った紙が出てくる仕組み。九一式は初期のもので、後継機種の「九八式射撃盤改」が戦艦大和に搭載された。
約50人が参加した除幕式には、寄贈した愛知時計電機(名古屋市)経営企画室の齊藤満室長も出席。齊藤室長は「社史には昼夜を問わず開発していたとある。技術や苦労を多くの人に感じてもらえれば、当時の先輩開発者も喜んでくれると思う」と思いをはせた。
同館1階の大型資料展示室に置かれる。戸高一成館長は「大砲が素晴らしくても、データがなければ撃てない。当時の最先端であったということを想像し、時代を感じてもらいたい」と話した。
(2021年7月15日朝刊掲載)
長さ約150センチ、幅約116センチ、高さ約85センチの箱形で、重さ約3・2トンの「九一式射撃盤」。さびたり朽ちたりしているが、数字の書かれた目盛りや、ハンドルが当時の面影を残す。同館によると、1931年に2基製造されたうちの一つで、旧海軍横須賀砲術学校で使われていたものとみられるという。
射撃盤は、戦艦の主砲を撃つのに必要な指示内容を導き出す計算装置。敵艦の速度や潮流、風の強さなど約20項目をダイヤルで入力すると、歯車が動き、主砲の角度などの情報が載った紙が出てくる仕組み。九一式は初期のもので、後継機種の「九八式射撃盤改」が戦艦大和に搭載された。
約50人が参加した除幕式には、寄贈した愛知時計電機(名古屋市)経営企画室の齊藤満室長も出席。齊藤室長は「社史には昼夜を問わず開発していたとある。技術や苦労を多くの人に感じてもらえれば、当時の先輩開発者も喜んでくれると思う」と思いをはせた。
同館1階の大型資料展示室に置かれる。戸高一成館長は「大砲が素晴らしくても、データがなければ撃てない。当時の最先端であったということを想像し、時代を感じてもらいたい」と話した。
(2021年7月15日朝刊掲載)