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基地強化・事故に不安再び 追加オスプレイ岩国搬入 冷静な受け止めの声も

 米軍の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの米海兵隊岩国基地(山口県岩国市)への第2陣12機の搬入があった30日、市民は昨年に続く搬入への怒りや事故への不安を募らせた。岩国を拠点にした本土訓練などの経験から、冷静な受け止めの声もあった。(酒井亨、大村隆、友岡真彦)

 「機体の危険性を指摘してきたのに、また岩国に搬入とは」。基地周辺で抗議行動をした実行委員会の桑原清委員長(74)=同市青木町=は語気を強めた。「岩国を拠点とした夜間飛行や低空飛行が本格化し、事故の危険性が増すのではないか」と懸念する。

 沖縄県は配備後の昨年10、11月、学校上空の飛行など日米間で合意した運用ルール違反が318件に上ったと指摘した。同市麻里布町、無職栗原桜さん(62)は「ルール無視はあってはならない。日本政府も合意事項を守るよう、米側に強く訴えるべきだ」と憤る。

 岩国基地へは2017年ごろまでに米軍厚木基地(神奈川県)から空母艦載機59機が移転する予定。同市麻里布町、無職中村正弘さん(78)は「基地機能が強化されていくことが気になる。負担を全国に分散できないのか」と首をひねった。

 オスプレイの本土訓練はこれまでに5回あった。同市御庄の会社員松本幸治さん(37)は「昨年も搬入され、今まで事故もないので特に気にならない」。国内配備に賛成する石本崇市議(48)は「オスプレイは日米同盟の深化にとって必要。水害や地震などの救難活動にも力を発揮する」と強調した。

(2013年7月31日朝刊掲載)

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