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「ヒロシマの空白」 広島県全中高へ 本社が書籍寄贈

 中国新聞社は、2020年度新聞協会賞(企画部門)受賞作の本紙連載を書籍化した「ヒロシマの空白 被爆75年」を広島県内全域の中学と高校、特別支援学校などに1冊ずつ贈る。来年の本紙創刊130周年事業に向けた一環。下山克彦編集局長が14日、広島県庁を訪れ平川理恵教育長に贈呈した。

 連載は、原爆犠牲者数や引き取り手のない遺骨の身元など、未解明の原爆被害を追った。原爆で壊滅する前の市民生活を捉えた写真も収集し、「街並み再現」として収録した。

 下山局長は「多くの若い人に読んでもらい、役立ててほしい」と要請。平川教育長は「原爆が奪ったのは市民の日常だったことが伝わってくる本。再び起こらないようにするにはどうすべきか、子どもたちが考えるきっかけになる」と話していた。

 本社は、被爆地の新聞社として被爆体験の次世代継承と平和教育に貢献しようと、広島国際文化財団の協賛を得て本を寄贈。15日以降、各校への発送や配布を順次進める。

(2021年7月15日朝刊掲載)

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