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原爆ドームの特別史跡指定 文科相、要望受け前向き

 萩生田光一文部科学相は15日、国史跡の原爆ドーム(広島市中区)を学術上の位置付けの高い特別史跡に指定するのが「ふさわしい」との考えを示した。公明党広島県本部の要望に対して答えた。

 同党県本部平和創出委員長の田中勝広島市議が文科省を訪れ、「原爆ドームは原爆の惨禍を伝える証人。わが国の歴史の正しい理解に欠かせず学術上、価値が高い」として特別史跡への「格上げ」を求める要望書を提出。同党国会議員も加わり非公開で意見交換した。

 田中市議によると、萩生田氏は「特別史跡にふさわしい」との見解を示し、「所定の手続きで市から具申があれば申請を受けたい」と述べたという。原爆ドームの史跡指定は1995年で、翌年に世界文化遺産に登録された。

 広島市南区に残る市内最大級の被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」や旧日本銀行広島支店(中区)、平和記念公園レストハウス(同)などを国の指定文化財にすることも求めた。萩生田氏は「それぞれの調査研究を踏まえ、(県や市は)文化庁と協議して前に進めてほしい」と述べたという。

(2021年7月16日朝刊掲載)

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