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核兵器廃絶 SNSで発信 高校生平和大使「若い世代に伝える」

 国内外で核兵器廃絶を呼び掛ける本年度の高校生平和大使に選ばれた県内の3人が、広島市役所で記者会見した。新型コロナウイルスの感染拡大が活動に影響しかねない中、署名活動や会員制交流サイト(SNS)を通じて核兵器廃絶と平和への願いを広く発信する決意を語った。

 3人は、国泰寺高3年の佐々木梨央さん(18)=東区、比治山女子高2年の高橋菜乃果さん(16)=安芸区、近畿大付属広島高福山校2年の大内由紀子さん(17)=福山市。25日午前11時から、中区の平和記念公園で核兵器廃絶などを訴える署名活動を始める。

 佐々木さんは祖母が被爆した被爆3世。祖母は被爆後10年ほど頭からガラスの破片が出たという。「世界には原爆を知らない人がたくさんいる。オンラインで被爆の実態を発信したい」と力を込めた。

 高橋さんは1月に発効した核兵器禁止条約を踏まえて「世論を変えることが批准につながる。市民を殺す核兵器の存在を、SNSを使って、特に若い世代に広く伝えたい」と強調した。

 大内さんは「唯一の戦争被爆国なのに、広島や長崎のことを知らない高校生がたくさんいる。被爆の記憶を風化させないよう活動したい」と意気込んだ。

 市民団体「高校生平和大使派遣委員会」が募り、24代目となる本年度は3人を含む35人を19都道府県から選んだ。署名は、スイス・ジュネーブの国連欧州本部に届ける予定だが、新型コロナの影響で日程は未定という。(小林可奈)

(2021年7月17日朝刊掲載)

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