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広島市、中国庭園移転へ サカスタ予定地 22年度以降完了予定

 広島市は、中央公園広場(中区)へのサッカースタジアム建設に伴い、予定地にある中国庭園「渝華園(ゆかえん)」を移転する。年内をめどに移転先を決め、完了は2022年度以降を見込む。現在は来園者が少ないとして、移転を機に市民の憩いの場として再生を目指す。

 市によると、スタジアムの南西部分の用地が渝華園と重なるため、移転を決めた。2カ月で解体し、瓦や柱、床のタイルなどは佐伯区の市有地で保管する。周りを囲むコンクリート製の壁は撤去する。費用はスタジアムの建設費257億円に含めており、請け負った大成建設中国支店(中区)などの共同企業体が担う。

 庭園は中国・重慶市との友好都市提携5周年を記念し、広島市が1992年、重慶市から提供された設計図を基に造った。約1700平方メートルで四川省の古典庭園を再現しており、大きく反った屋根が特徴のあずまや2棟や回廊、門、池がある。重慶市側にも日本式の「広島園」がある。

 広島市によると、入場は無料だが、訪れる人は少ない。出入り口が1カ所で、壁に囲まれて通り抜けられない点が影響しているとみている。移転後の広さは原則として同規模としつつ、壁の有無などレイアウトの改善を探る。

 市は重慶市に移転を報告し、「現在地に近い市内中心部への移転」を期待されたという。市国際化推進課は「庭園は交流のシンボル。移転を機に市民により利用されるよう、オープンな憩いの場を目指す」としている。(新山創)

(2021年7月17日朝刊掲載)

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