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被爆者の人生語る写真 都庁で「原爆展」始まる

 東京都在住の被爆者の生きざまに焦点を当てた「東京原爆展」が31日、都庁で始まった。9人・団体の近影に被爆体験や現在の様子を伝える説明文を添え、苦難を乗り越えた半生を紹介している。無料。5日まで。

 都の被爆者団体「東友会」が主催し、6回目。被爆直後の写真パネルや被爆者の描いた絵、瓦などの被爆資料に加え、ことしは「東京に生きる被爆者」をテーマに近影を展示した。被爆2世でフリーライターの吉田みちおさん(55)=練馬区=たちが取材、撮影した。

 モデルの一人、江戸川区の三宅千里さん(90)は、趣味の編み物を広げ、穏やかな表情を写真の中でみせる。爆心地から1キロの広島市基町(中区)で被爆。やけどした顔や首を隠すため、外出する時は帽子を目深にかぶり続けた。商社の本社勤務になった約60年前から東京で暮らす。

 会場に立ち寄った横浜市都筑区の主婦松尾ルミさん(37)は「被爆者の皆さんの苦労があって、今の日本があると実感する」と話していた。(藤村潤平)

(2013年8月1日朝刊掲載)

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