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条例前提の協議「応じられない」 平和条例でデモ団体

 8月6日の原爆の日に原爆ドーム周辺でデモをしている団体と平和記念式典を営む広島市は20日、今年のデモの在り方について協議した。市は、式典を「厳粛の中で行う」と定めた6月29日施行の平和推進基本条例に基づき、静かな環境の確保に協力を求めた。団体側は、条例を前提とした話し合いには応じられないとの立場を示した。

 「8・6ヒロシマ大行動実行委員会」のメンバーたち8人が市役所を訪れた。条例に定める「厳粛」の定義について、市がどう考えているかを問うた。

 市市民活動推進課の大塚勝利課長は、市議会が議員提案で成立させた条例に基づき、式典に適した環境を確保したいと説明。「強制はしない。理解に基づく自主的な協力をお願いする」と繰り返し強調した。

 市と団体はこれまでの協議で、今年の式典では団体はデモの拡声器の音量を85デシベル以下にするよう努め、事前に両者で音量を測る方向で検討してきた。団体は今回、条例を理由に「保留にする」と態度を変えた。

(2021年7月21日朝刊掲載)

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