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実質審理が終了 12月8日に判決 広島地裁

 集団的自衛権の行使を認めた安全保障関連法は違憲として広島、山口県の住民309人が国に損害賠償などを求めた訴訟は21日、広島地裁で実質的な審理を終えた。判決は12月8日に言い渡される予定。

 この日の口頭弁論で、原告側が最終準備書面を提出した。意見陳述では、父親が入市被爆した原告団事務局長の利元克己さん(80)=呉市=が「戦争のできる国づくりにまい進しており、戦争が起これば国民が犠牲になるのは必至」と強調。弁護団の山田延広共同代表は「『戦争法』の危険性に真正面から向き合ってほしい」と違憲判断を求めた。

 訴状によると、安保関連法は憲法9条に違反していると強調。戦争やテロの恐怖で精神的苦痛を受け、平和的生存権を侵害されたとして、1人10万円の賠償と同法に基づく自衛隊の出動差し止めを国に求めている。

 国は「平和的生存権は具体的な権利や法的利益とはいえず、漠然とした不安感を抱いたという域を越えない」と反論し、請求を退けるよう求めている。

 全国22地裁・支部に起こされた集団訴訟の一つ。広島地裁では2016~17年に被爆者を含む市民が順次提訴した。

(2021年7月22日朝刊掲載)

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