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平和願い鐘鳴らす 山口の興隆寺

 平和を願い、身近な文化財を大切にする思いを込めて釣り鐘を鳴らす催しが22日、山口市大内氷上の興隆寺であった。厳かな鐘の音に、戦争のない世界の実現や新型コロナウイルスの収束を託した。

 地元住民や山口大大学院の留学生たち約20人が参加。室町時代の守護大名、大内義隆が寄進し、国の重要文化財に指定された鐘を順番に鳴らした。手を合わせた後、2、3人ずつで一気に突き、周辺の田園地帯に力強い音を響かせた。ラオス出身の留学生カンパセ・マニサイさん(27)は「日本や母国、世界の平和を願った。鐘の音が多くの人に届いてほしい」と話した。

 山口ユネスコ協会が2001年から毎年開き21回目。昨年に続き、コロナ禍で規模を縮小しての開催となった。中村幸士郎会長(79)は「物心ともに安らかな日常が戻るよう、音色を通して願いを届けたい」と強調した。(中川晃平)

(2021年7月24日朝刊掲載)

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