×

ニュース

与野党とも歓迎 地元国会議員

 「黒い雨」訴訟で菅義偉首相が上告断念を表明した26日、広島県を地盤とする与野党の国会議員は「画期的な判断だ」と歓迎した。

 自民党の被爆者救済と核兵器廃絶推進議員連盟で事務局長を務める平口洋氏(広島2区)は首相の政治決断を評価する一方、「国はこれまで被爆地に冷たすぎた面もある。関係者の高齢化は進んでおり早期救済は欠かせない」と訴えた。

 同議連代表世話人の寺田稔氏(広島5区)は広島県、市が先んじて上告見送りを表明したことが官邸を動かしたと分析し、「地方分権で自治体の意見は重くなっている」と評した。

 官邸と水面下で折衝を続けたのは同党の岸田文雄前政調会長(広島1区)。一審判決時に厚生労働相だった加藤勝信官房長官(岡山5区)に電話をかけ「広島原爆の日(8月6日)を前に、政府はメッセージを発するべきだ」と上告断念を強く迫ったと明かした。

 公明党の斉藤鉄夫副代表(比例中国)は「長年苦しんできた人たちに寄り添う決断だ」と評価。立憲民主党の森本真治氏(参院広島)は「上告断念を求める原告団たちの署名は短期間で9千を超えた。被爆地の願いが届いた」と喜んだ。(下久保聖司、樋口浩二、桑原正敏)

(2021年7月27日朝刊掲載)

年別アーカイブ