×

ニュース

ピアノ×バイオリン 被爆楽器 平和願い共演 来月6日 平和公園から生中継

 広島で広島で被爆したピアノとバイオリンを奏で、平和のメッセージを発信するオンラインイベントが8月6日午後8時15分、インターネットの動画投稿サイト「ユーチューブ」である。非政府組織(NGO)ピースボート(東京)が主催。平和記念公園(広島市中区)内の被爆建物レストハウスから生中継する。

 二つの楽器はいずれも爆心地から約3キロで被爆。ピアノは19歳で被爆死した河本明子さんの遺品、バイオリンは広島女学院の元音楽教師で被爆後に渡米したロシア人セルゲイ・パルチコフさんの愛用器だった。明子さんは広島女学院付属小学校時代にパルチコフさんの指導するオーケストラに参加していた。

 ピアノを演奏するのは、イタリアと日本を拠点に活躍するピアニストで、祖母が戦時中にパルチコフさんの教え子だった三原有紀さん。バイオリンは、2017年のKOBE国際音楽コンクールで最優秀賞を受賞したノートルダム清心高3年の坂直さんが奏でる。曲目はエルガー「愛の挨拶(あいさつ)」、成田為三「浜辺の歌」、クライスラー「愛の悲しみ」など。

 イベントには「明子さんのピアノ」の保存活動をするHOPEプロジェクトの二口とみゑ代表たちも参加。二つの楽器に秘められた歴史やエピソードを語る。二口代表は「共演を大勢に聞いてもらう初めての機会。優しい音色を通じ、平和を願う気持ちを広げたい」と期待する。

 イベントを視聴した9~18歳を対象にした感想文コンクールもある。詳細はピースボートのホームページに掲載している。(西村文)

(2021年7月28日朝刊掲載)

年別アーカイブ