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広島の「ピースフィールド」集客苦 平和発信のブース出展 猛暑も影響し目標26万人困難

 世界の紛争や貧困、環境問題を考えてもらおうと、広島市中区で開催中の「ピースフィールド」が集客に苦戦している。平和活動を紹介するブースをはじめ、各国料理の出店やステージショーなど多彩な催しを展開するものの、PR不足や猛暑が影響して野外会場の人出はまばら。広島県などでつくる実行委員会が目標にする26万人の入場達成は難しい状況だ。(新本恭子)

 会場である旧市民球場跡地北側のハノーバー庭園。1日、留学生との交流に取り組む市民団体「留学生とともだちの和」(東区)のブースに立ち寄ったのは35人だった。誰も来ない時間帯も多く、白石英夫代表(67)は「活動をアピールする機会なのに、ちょっとさみしい」と苦笑する。

 ピースフィールドは7月27日~8月3日、午前11時~午後8時に連日開催。平和活動に取り組むNPO法人など37団体がブースを構え、インドやパキスタン料理の出店、アイドルや神楽、民族楽器のステージもある。ただ、会場を訪れた中区のアルバイト女性(34)は「全体として何がしたいのかが分からない。平和のコンセプトが浮いているように感じる」と話す。

 ステージの出演者の調整がずれ込み、PRを始めたのは7月に入ってから。実行委が昨年末から情報発信を進め、同じ日に開幕した「ワールド・ピース・コンサート」と比べて認知度は低い。

 1日に小学5年の孫(10)を連れて訪れた主婦村瀬光子さん(71)=中区=は「前日にデパートでチラシをもらい初めて知った。夏休み中の子どものためにももっとアピールすればいいのに」と話す。

 雨が降った28日以外は最高気温が30度を超え、1日は34・3度。水を霧の状態にして噴射するミストシャワーを設置しているが、コンクリートの照り返しが強く、予想以上の熱気も誤算という。実行委事務局の県文化芸術課は「残り2日間は本通り商店街などでチラシを配り、一人でも多く来てもらえるように取り組みたい」としている。2日はステージでお笑いタレントのライブ、3日は閉幕イベントなどがある。

ピースフィールド
 被爆地広島で八つのコンサートを展開する「ワールド・ピース・コンサート」の関連イベントとして、7月27日に開幕。平和活動に取り組むNPO法人などの団体▽企業▽広島県・市町―の分野別に計72ブースを出展。平和貢献活動などのパビリオンや映画上映もある。広島県などでつくる実行委員会が2011年度から9億8100万円を投じて取り組む「ピース・アーチ・ひろしま」の一環。

(2013年8月2日朝刊掲載)

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