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原爆症 与党PT 「勧告的意見」提出へ

■記者 岡田浩平

 原爆症認定集団訴訟の大阪、東京両高裁判決を前に、与党の被爆者対策プロジェクトチーム(PT)は12日、国会内で会合を開き、原爆症に「積極認定」する病気の拡大などを盛り込んだ「勧告的意見」を国に出すことを申し合わせた。政府は28日の東京高裁判決で訴訟を一括解決すると明言しており、条件作りへの動きが本格化してきた。

 PTでは、肝機能障害と甲状腺機能低下症を積極認定に加える▽がんは被爆状況にかかわらず幅広く認定▽勝訴原告の速やかな認定-などを国に求めることで大筋合意。自民、公明各党の政調部会などを経て、19日の次回PTで与党の総意としてまとめる。

 自民党の議員懇談会も「一日も早く被爆者を救済する」との趣旨で近く声明を出す。

 集団訴訟は15日に大阪、28日に東京と高裁判決が相次ぐ。国が放射線との関連を否定する肝機能障害の認定などが争点。河村建夫官房長官は東京高裁判決を踏まえた上で上告、控訴取り下げを視野に政治解決を図る方針を示している。

 ただ、日本被団協など原告側は「全員救済」の条件として敗訴原告についても「被爆者救済の立場での対応」を要求。厚生労働省側とどう具体的な手だてで合意できるかが一括解決に向けた焦点となる。

(2009年5月13日朝刊掲載)

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