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竹島記した最古の地図 島根県が江戸期の2枚複製展示へ

島根県 江戸期の2枚複製展示へ

 島根県は1日、日韓両国が領有権を主張する島根県の竹島(韓国名・独島(トクト))を記した日本地図としては最も古い江戸時代の地図2枚が見つかったと発表した。県の竹島問題研究会(座長・下條正男拓殖大教授、16人)は「竹島が日本固有の領土という従来の主張を補強する資料」としている。

 いずれも水戸藩の地理学者長久保赤水(せきすい)(1717~1801年)作で、1760年代の「日本図」(縦66センチ、横66・6センチ)と68年の「改製日本扶桑分里図(ふそうぶんりず)」(縦84・6センチ、横134・8センチ)。隠岐諸島の北西に現在の竹島を指す「松島」と、現在の韓国・鬱陵島(ウルルンド)を指す「竹島」が記されている。

 これまでは、赤水の「改正日本輿地路程全図(よちろていぜんず)」(1779年)が、竹島を記した最古の幕府公認の地図とされてきた。今回見つかった2枚はそれぞれ、その下図と、より完成品に近い原図とみられる。

 同研究会が、茨城県高萩市の赤水の子孫男性(73)が所有する資料約360点を調査し、発見した。

 また同研究会は、赤水が竹島を隠岐の一部として記した隠岐の地誌などを参照したことも確認。「竹島(松島)を日本領と認識した上で地図に盛り込んだと分かる貴重な地図だ」としている。県竹島資料室(松江市)は、2枚の地図の複製の展示を計画している。(明知隼二)

(2013年8月2日朝刊掲載)

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