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基町小に「友好の杜」 原爆資料館-ドームの「軸線」上

■記者 水川恭輔

 広島市中区の基町小の児童が13日、運動場で「友好の杜(もり)」(仮称)づくりを始めた。国連訓練調査研究所(ユニタール)広島事務所のナスリーン・アジミ所長が発案した活動。被爆エノキの三世など8本を植樹し、平和や国際理解の学習に活用する。

 同小は平和記念公園の北東約800メートルにあり、原爆資料館から原爆慰霊碑、原爆ドームを一直線に結ぶ「軸線」の延長線上に位置する。

 4月、知人を通じて同小を知ったアジミ所長が「平和の願いが託された軸線上に木を植え、子どもが親しめる場をつくっては」と提案。学校側が、延長線上に当たる運動場の南西部分約150平方メートルへの植樹を決めた。

 この日の植樹式には外国人が4割近くを占める全校児童146人と、アジミ所長、住民たちが参加した。近くの河岸で20年前に枯死した被爆エノキの三世や、中国で親しまれるヤマモモ、地中海のゲッケイジュなど7種類8本を植えた。被爆の記憶の継承や世界の友好がテーマだ。

 同小は児童に募って正式名を決め、8月6日に完成式と平和学習会を開く。エノキに土をかけた6年床山大貴君(11)は「いろんな国の木々が仲良く育ってほしい」と願っていた。

(2009年5月14日朝刊掲載)

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