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平和宣言に核廃絶託す 体験談採用の2人が広島市長訪問

 広島市の松井一実市長が6日の平和記念式典で読み上げる平和宣言に、被爆体験談が盛り込まれる西区の川島智恵子さん(68)と周南市の硯谷(すずりや)文昭さん(82)が2日、市役所に松井市長を訪ね、核兵器廃絶に向けた訴えを国内外に強く発信するよう要請した。

 川島さんは新婚間もない23歳の時、被爆を理由に嫁ぎ先を追い出されたという。原発事故に見舞われた福島県の人たちを気遣い「私と同じ体験をさせたくない」と話した。貧血などの後障害に苦しんだ硯谷さんは「被爆の恐怖や残酷さを世界の人に理解してもらえれば」と願った。

 松井市長は「平和宣言では、被爆者が原爆の惨禍が繰り返されないよう願っていることを伝えたい」と述べた。

 市は2011年から平和宣言に盛り込む体験談を公募。ことしは56人の中から硯谷さんや川島さんたち3人を選んだ。「被爆体験に関する懇談会」の委員が推薦した2人と合わせ、計5人の体験談を引用する。(石井雄一)

(2013年8月3日朝刊掲載)

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