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音楽と朗読で平和奏でる 広島でコンサート

 音楽と詩の朗読で平和を祈る「メモリアルリーディングコンサート」が2日、広島市中区の広島グリーンアリーナであった。坂本龍一のピアノ伴奏で俳優吉永小百合が原爆詩を読み上げ、約3550人が戦争の愚かさや命の尊さをかみしめた。

 広島県などが主催するワールド・ピース・コンサートの一環。吉永は峠三吉の「序」をはじめ、広島の被爆者の叫び、福島の原発事故による人々の苦しみを詠んだ8編を切々と朗読。坂本は重々しい旋律で怒りや悲しみ、寂しさに満ちた詩の世界へと引き込んだ。

 坂本は「広島、長崎に続いて福島でも核被害が起きた。何とか乗り越えて世界にメッセージを発していかなきゃいけない」と強調。広響との協演で「戦場のメリークリスマス」「ラストエンペラー」などの代表曲も奏で、歌手の元ちとせと原爆の犠牲になった少女を描いた「死んだ女の子」も披露した。

 この日は、歌手の石井竜也や、安田祥子と由紀さおり姉妹も広響の演奏で熱演。東日本大震災の被災地復興の願いも乗せ、伸びやかに歌声を響かせた。(松本大典)

(2013年8月3日朝刊掲載)

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