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首相 広島・長崎式典に 就任後初 随行員は限定

 菅義偉首相は30日の記者会見で、広島原爆の日の8月6日、長崎原爆の日の9日に両市である式典に参列する意向を示した。昨年9月の就任後初の機会となる。「黒い雨」訴訟で勝訴が確定した原告への被爆者健康手帳の交付を急ぎ、原告以外に黒い雨被害を訴える人たちの救済に広島県、市とともに取り組む考えを強調した。

 式典について首相は「長崎と広島で起きた惨禍、人々の苦悩を二度と繰り返してはならない。日程の許す限り参加したい」と述べた。新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ「必要最小限の人数で行きたい」と随行員を絞る意向を示した。

 黒い雨訴訟で上告を断念した政治決断に関して「熟慮に熟慮を重ねた結果。被爆者援護法の理念に立ち返って救済を図るべきだと考えた」と改めて強調。原告と同じ事情にある人の救済について「広島県と広島市にお世話になる。誠意を持って国と県と市で検討するよう指示した」と述べた。(下久保聖司)

(2021年7月31日朝刊掲載)

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