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大和建造した呉港の歩み 31日から ミュージアム企画展

 小さな港町から戦艦大和建造にまで至った呉港の変遷をたどる企画展「竣工80年 戦艦『大和』と呉軍港」が31日、呉市宝町の大和ミュージアムで始まる。大和の完成から今年で80年になるのに合わせて企画した。

 呉鎮守府が置かれ、海軍工廠(こうしょう)などがあった呉は、製鋼部を唯一備える軍港として発展。戦艦の修繕や主砲塔の製造などの役割を担い、「東洋一の軍港」と呼ばれた。

 会場には、海軍内で極秘とされた大正期の海図や、改修を重ねたドックの写真など約100点を展示。地形や風景に注目し、規模を拡大していった呉港の移り変わりを伝える。

 大和の完成を昭和天皇に報告するために作った模型の再現品や、戦艦陸奥の主砲塔に使われた厚さ28センチの甲鈑(防護板)、戦艦三笠の主砲の一部なども並ぶ。

 担当した花岡拓郎学芸員は「現代にも受け継がれている技術がどのようにして生まれたかを感じてほしい」と話す。常設展とセットで一般800円など。来年5月30日まで。(仁科裕成)

(2021年7月31日朝刊掲載)

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