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[コロナ禍の8・6] 核兵器廃絶 どう実現 中区でシンポ 専門家ら意見交換

 核兵器廃絶の道筋を探る国際平和シンポジウムが31日、広島市中区の広島国際会議場を会場にオンラインであった。国内外をつなぎ、核兵器を巡る世界の情勢や1月に発効した核兵器禁止条約について専門家たちが意見を交わした。

 国連軍縮担当上級代表の中満泉事務次長が基調講演した。核兵器の近代化が進む現状などを踏まえ、「核のリスクは、ここ40年で最高レベルにある」と指摘。核兵器禁止条約の発効は「核軍縮体制を進める上で非常に重要」とし、条約の運用の在り方が問われると説いた。

 4人によるパネル討論もあった。米国のオバマ政権で国務次官を務めたローズ・ガテマラーさんは核軍縮について、世界の核弾頭の約9割を保有する米国とロシアの交渉の重要性を強調。フォトジャーナリストの安田菜津紀さんは「血の通った人間の話に何度も立ち返る必要がある」とし、高齢化する被爆者の体験を語り継ぐ大切さを述べた。

 シンポは市などが開き、約千人の参加申し込みがあった。(小林可奈)

(2021年8月1日朝刊掲載)

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