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平和への願い 次代に 原爆の日前に慰霊碑清掃 尾道地区被害者の会

 6日の被爆76年を前に、尾道市の「尾道地区原爆被害者の会」は1日、同市東尾道にある原爆死没者慰霊碑を清掃した。

 被爆2世の畑山利一さん(70)=同市久保町=や、ボランティア11人が参加。約1時間かけて周辺の落ち葉を掃いて草を抜き、慰霊碑に水をかけて汚れを落とした。

 6日は午前8時から慰霊式典を開く。今回は福山市の人権平和資料館の協力を得て初めてパネル展示を企画。原爆が投下された8時15分で止まった時計の写真や上空から撮影されたきのこ雲など約20枚を展示し、被爆による被害の実相を伝える。

 同会は合併前の旧尾道市と旧向島町の被爆者や遺族で構成。会員の高齢化で年々参加者が減り、現在は被爆2世が活動を引き継いでいる。同市内では2016年に因島地区、昨年9月に御調町の被爆者団体が解散した。畑山さんは「尾道に残る唯一の団体として、受け継いだ被爆体験を若い世代に伝え、風化を防ぎたい」と話している。(石下奈海)

(2021年8月2日朝刊掲載)

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