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ヒロシマに触れ 心新た 平和市長会議 参加者が資料館見学

 被爆地広島市に、核兵器廃絶を目指す国内外の都市のリーダーたちが集った。3日開幕した平和市長会議。開会式の後、ヒロシマの訴えの象徴であり、核兵器の非人道性を伝える中区の原爆資料館などを見学し、廃絶への決意を新たにした。

 原爆慰霊碑に黙とうをささげた後、原爆資料館で被爆者の写真、被爆後の街並みを再現した模型などを見た。

 「人間の仕業とは思えない」。初めて資料館を訪れたイラク・ハラブジャ市のキダー・カリーム市長は、驚きと怒りを隠さない。

 旧フセイン政権が用いた化学兵器で、同市では約5千人が虐殺された。「世界平和には、もっと多くの都市を巻き込む必要がある。広島での総会で、その方策を考えたい」

 ドイツ・ハノーバー市のベルント・シュトラウフ市長代理は「広島での体験は必ず市民に伝える」と誓った。日本と同じく、米国が提供する「核の傘」に依存するドイツ。「市民に身近な自治体は正しい情報を伝える責任がある。市民の意識が変われば政府を動かせる」と力を込める。

 フランス北部、シャンピニー・シュール・マルヌ市のジョルジュ・シャルル副市長は、核兵器を手放さない自国政府を「軍需産業にコントロールされている」と批判。「都市が手を携え、国を動かすほかない。平和市長会議の未加盟都市に働き掛ける方法も探りたい」と話した。(田中美千子、新山京子)

(2013年8月4日朝刊掲載)

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