×

ニュース

核禁条約てこ 廃絶探る 原水協など世界大会開幕

 日本原水協などの原水爆禁止世界大会が2日、開幕した。新型コロナウイルスの感染拡大を考慮してオンライン形式を軸とし、9日まで。初日は世界8カ国の有識者による国際会議で1月発効の核兵器禁止条約をてこにした核兵器廃絶の道筋を探った。6日に広島、9日に長崎で、被爆者から証言を聞く集会を開く。

 核兵器を全面禁止する手だてについて、米国やロシアなどの核保有国に加え韓国、ベトナムなどアジア諸国の市民団体代表や研究者がインターネット上で意見を出し合った。米中対立など核を巡る世界情勢が悪化する今こそ、86の国・地域が署名した核兵器禁止条約への賛同を広げるべきだとの意見が続出した。

 米国の平和活動家ジャッキー・カバソ氏は「核抑止力の思想を打ち破るため、まずは市民社会で条約の認識を高めよう」と強調。インド・デリー大のアチン・バナイク元教授は「核兵器の害悪を多くの人に伝えることが保有国政府への圧力になる」と訴えた。米国の「核の傘」の下で条約に背を向ける日本政府に署名を求め続ける方針も確認した。

 もう一つの世界大会を開く原水禁国民会議などは5日、広島市中区で広島大会を始め、6日までの日程をインターネットで同時配信。8、9両日にある長崎大会は長崎市に最大400人の来場者を招く。(樋口浩二)

(2021年8月3日朝刊掲載)

年別アーカイブ