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原爆ドーム 3Dデータに 本社制作 5日から公開 「学習や観光に活用を」

 中国新聞社は、世界遺産の原爆ドーム(広島市中区)を3D化したデジタルデータを作った。原爆や戦争の悲惨さを後世に伝える被爆75年プロジェクト「あの日から現在、そして未来へ」の一環。5日から専用サイトで公開し、平和学習や観光客のガイドで活用してもらう。

 高所を含めてさまざまな地点から昨年8月に撮影した原爆ドームの写真1万枚以上を組み合わせ、「フォトグラメトリ(写真測量)」の手法で3D化した。原爆でむき出しになった鉄骨や、建物の欠けた部分を精密に再現。拡大や縮小が自由にでき、日頃入れない内部を「見学」できる。

 タブレット端末のiPad(アイパッド)を使い、専用サイトで見られる。新型コロナウイルス対策で臨時休館している平和記念公園(中区)の「レストハウス」では再開後、展示室の体験ブースで誰でも無料で閲覧できる。3Dデータは、災害や経年劣化でドームが損傷した際の復旧作業にも役立ててもらう。

 公開に先立つ3日、中国新聞社地域ビジネス局の橘高知樹局長が広島県庁に平川理恵教育長を訪ね、「平和学習に使ってほしい」と3Dデータの完成を報告した。平川教育長は「広島を訪れる修学旅行生に見てもらいたい」と話した。(中川雅晴)

(2021年8月4日朝刊掲載)

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