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戦没者しのび平和願う 東広島で遺族ら追悼式

 東広島市の戦没者追悼式が4日、同市の黒瀬生涯学習センターであった。遺族たち約250人が犠牲者をしのび、平和を願った。

 参列者は順に献花台に白い花を手向けた。遺族代表の小西照枝さん(79)=西条町郷曽=は、フィリピンのルソン島で戦死した父の瀬川寿さん=当時(35)=を思い、「祖母と母が落胆する姿を見た時の気持ちは言葉に言い表せない」と涙を浮かべた。小谷小6年川崎莉子さん(11)が市内児童を代表し、「二度と戦争を繰り返さず、平和な世界を築く」と誓った。

 高知(たかち)良光さん(85)=高屋町造賀=は父の清さん=同(40)=がルソン島で戦死、兄の照光さん=同(15)=は広島で被爆し亡くなった。「父は海に沈み、遺骨も戻らなかった。戦争は絶対にだめだ」と力を込めた。

 式典には、市原爆被爆資料保存推進協議会が主催する「平和学習バス」の小中学生も出席。例年の行き先は広島市中区の平和記念公園だが、地元での学びを深めるため訪れた。(堅次亮平)

(2021年8月5日朝刊掲載)

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