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『核兵器はなくせる』 NPT準備委  勧告の草案討議

■ヒロシマ平和メディアセンター編集部長 江種則貴(ニューヨーク発)

 国連本部で開かれている核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第三回準備委員会は12日午前、来年の再検討会議に対する勧告草案をめぐる討議に入った。

 ボニフェース・シディアスシク議長が示した草案に対し、計21カ国の代表団が意見を述べた。

 核兵器国からは、NPTの三本柱である核軍縮、不拡散、原子力平和利用の扱いについて「記述のバランスがよくない」との指摘が目立った。核軍縮ばかりに重点を置かないよう、やんわりくぎを刺した形だ。

 米国は全体として「建設的な内容だ」と評価。ロシアは核テロの恐れについても記述するよう要請した。強硬だったのは中国。加盟国の意見交換を反映した勧告にするよう繰り返し求めた。

 一方、新アジェンダ連合(NAC)7カ国を代表してスウェーデンが「議長勧告案を基に前に進もう」と発言。日本を含めた非核兵器国も草案への積極的な評価が圧倒的だった。イランも「各国の意見の公約数だ」と述べた。エジプトやインドネシア、チェコは、中東問題の記述についてはさらに追加する必要があるとの認識を示した。約2時間の討議では内容に対する強い反対意見はなかったものの、シディアスシク議長は13日午前中までの休会を宣言した。この間、議場外での意見調整を進めるとみられる。

(2009年5月14日朝刊掲載)

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