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核兵器のない世界 実現を 「遺志受け継ぎ誇れる都市に」 広島市公務員追悼式

 広島市は、原爆で亡くなった市職員や市議を悼む市原爆死没公務員追悼式を中区の市役所本庁舎前広場の碑前で開いた。市幹部や市議、遺族たち約50人が参列した。

 黙とう後、松井一実市長は「世界に誇れる国際平和文化都市とするため、志半ばで亡くなった皆さまの遺志を受け継ぎ、職員一丸となり、まちづくりに全力を注ぐ」と追悼の辞を述べた。

 遺族代表を務めた今谷敏江さん(81)=安佐南区=は生産課職員だった義姉敏子さんを亡くした。1945年9月17日、焼けた家代わりの防空壕(ごう)で息を引き取ったという。「まだ入庁したばかりで若く、もう一人の義姉はいつも『旅行の一つもさせてあげたかった』と悲しんでいた」と悼んだ。

 市によると、被爆して65年度末までに死亡した職員と市議は計455人。追悼式は66年から毎夏に営んでいる。

(2021年8月6日朝刊掲載)

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