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被爆者運動の先人知って 中区で企画展 故吉川さんら歩み紹介

 原爆ドーム近くで1950年代に土産物店を開き、広島で最初の被爆者団体を組織するなどして被爆者運動の先駆けとなった故吉川清さんと妻生美さんらの歩みをたどる展示「いま、ここにあるヒロシマ」が、広島市中区のCLiP HIROSHIMA(クリップ・ヒロシマ)で開かれている。7日まで。

 「原爆一号」と呼ばれた吉川さんは、自らやけどのケロイドをさらし、原爆の残酷さを告発しながら絵はがきなどを売っていた。会場では、バラック建ての店を再現し、折り鶴再生紙のはがきを販売。アーティスト恩田敏夫さん(43)=埼玉県秩父市=が生前の生美さんから証言を聞いて作った原爆ドーム模型や、ドームを描いた絵なども並ぶ。

 展示に見入っていた山下正貴さん(66)=佐伯区=は「吉川夫妻が、原爆の悲惨さを伝えようと信念を貫いていたことが伝わってくる」と話していた。市民でつくる実行委員会が、96年の原爆ドーム世界遺産登録から25周年に合わせて主催した。午前10時~午後5時。(湯浅梨奈)

(2021年8月6日朝刊掲載)

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