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原告以外 速やかに救済 「黒い雨」 首相「県市と連携」

 菅義偉首相は6日、広島市中区で記者会見し、広島への原爆投下後に降った「黒い雨」を巡る訴訟の上告断念を受け、原告以外に黒い雨の被害を訴える人たちの救済について「個別に原告と同じ事情にあったかどうか、広島県や広島市としっかり連携をしながら対応する」と述べた。

 国の援護対象区域外で黒い雨に遭い、健康被害を訴える県内の原告84人全員を被爆者と認めた広島高裁判決の確定を受け、全員への被爆者健康手帳の交付手続きを6日までに終えたと説明。原告以外の救済に関しては「高齢の方、病気の方もいる。できるだけ速やかに県と市と国の会合の中で対応を決めて救済したい」と語った。

 一方、核兵器禁止条約の署名・批准については「条約が目指す核廃絶というゴールは共有している」としながらも「米国を含む核兵器国、また非核兵器国からも支持を得られていない」と指摘。「署名する考えは現在ない。(来年1月にオーストリアで予定される)締約国会議へのオブザーバー参加も慎重に見極める必要がある」と強調した。

 また、新型コロナウイルスの新規感染者数が急拡大する中、24日開幕の東京パラリンピックの会場に観客を入れるかどうかは「(8日の)東京五輪閉会後に(政府や大会組織委員会などの)5者協議で判断する」と述べた。(和多正憲、下久保聖司)

(2021年8月7日朝刊掲載)

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