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核兵器のない世界 首相 あいさつ読み飛ばす 平和記念式典後に陳謝

 菅義偉首相は6日、広島市中区の平和記念公園であった平和記念式典のあいさつで、核兵器の非人道性や、核兵器のない世界の実現に向けた努力に言及する重要なくだりを読み飛ばした。終了後に中区であった記者会見で「あいさつで一部を読み飛ばし、おわび申し上げる」と陳謝した。

 読まなかったのは、あいさつの中ほどにあった「わが国は、核兵器の非人道性をどの国よりもよく理解する唯一の戦争被爆国であり、『核兵器のない世界』の実現に向けた努力を着実に積み重ねていくことが重要です」という一文と、その前後。意味が通じなかったが、言い直さないまま最後まで読み進めた。

 2時間余り後にあった会見の冒頭で、自ら読み飛ばしを認めた。首相官邸は夕方、ホームページ(HP)に修正版の全文を載せた。(岡田浩平)

のり付着 原稿めくれず

 政府関係者は6日、菅義偉首相が広島の原爆死没者慰霊式・平和祈念式でのあいさつの一部を読み飛ばした原因について、原稿を貼り合わせる際に使ったのりが予定外の場所に付着し、めくれない状態になっていたためだと明らかにした。「完全に事務方のミスだ」と釈明した。

 原稿は複数枚の紙をつなぎ合わせ、蛇腹状にしていた。つなぎ目にはのりを使用しており、蛇腹にして持ち運ぶ際に一部がくっついたとみられ、めくることができない状態になっていたという。

(2021年8月7日朝刊掲載)

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