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批准の時期 見解割れる 与野党党首「いずれ」「一刻も早く」

 平和記念式典に出席するために広島市中区を訪れた与野党の党首が6日、それぞれ報道各社の取材に応じた。1月に発効した核兵器禁止条約を巡り、日本がすぐに署名、批准すべきかどうかで見解が分かれた。

 野党第1党で立憲民主党の枝野幸男代表は「日本がいずれ条約に加わる努力をしたい」と語り、来年1月に予定される禁止条約の第1回締約国会議へのオブザーバー参加を日本政府に求めた。

 ただ、被爆者団体などが求める禁止条約への一刻も早い署名、批准には否定的な考えを示した。「核抑止力の評価について核保有国や非保有国で溝があり、埋めていく必要がある。日米同盟の下で日本の安全が確保されている見方も否定できない」と理由を述べた。

 公明党の山口那津男代表もオブザーバー参加を望み「中長期的には日本が条約を批准できるように、安全保障環境を整えるのが重要だ」と指摘した。国民民主党の玉木雄一郎代表は「長期的に批准という目標を掲げ、外交的努力をするのが大事だ。どんな安全保障環境が整えば署名・批准できるか、国会で絶えず議論すべきだ」と述べた。

 「日本政府に、一刻も早く署名、批准する政治決断を求める」と訴えたのは共産党の志位和夫委員長。菅義偉首相が式典のあいさつで禁止条約に触れなかった点を「情けない態度だ」と批判した。(長久豪佑、宮野史康、城戸良彰)

(2021年8月7日朝刊掲載)

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