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平和目指すこと 子どもの「使命」 代表が鐘や誓い

 広島市の小学6年生3人が、平和記念式典に「こども代表」として参加し、大役を務めた。世界に生きる誰もが平和だと言える日を目指すことが、広島の子どもたちの「使命」というメッセージを発信し、平和を願う鐘の音を響かせた。

 「平和への誓い」は、袋町小6年の伊藤まりあさん(12)=中区=と、五日市東小6年の宅味義将さん(11)=佐伯区=が読み上げた。焼け焦げた町で、傷を負いながらも復興に立ち上がった被爆者に思いを巡らせ、「悲惨な過去を繰り返してはいけない」と強調。「小さな力でも世界を変えることができると信じて行動したい」と訴えた。

 小6で庄原市から引っ越してきた伊藤さんは、式典後に「新型コロナウイルスや紛争に苦しむ人にもメッセージが届いていれば」と願った。宅味さんは「学校の平和学習で被爆の風評被害を知り、印象に残った。これからも平和を呼び掛ける人になりたい」と話した。

 八幡東小6年の石田渚(なぎさ)さん(11)=佐伯区=は、遺族代表の村田英美さん(58)=東区=と一緒に黙とうの1分間、「平和の鐘」を鳴らした。小4の時に福岡県粕屋町から転校してきて、授業で初めて原爆について学び、被爆者の苦しみを知った。そこで感じた「争いや核兵器が一切ない世の中がいい」という気持ちを思い起こして臨んだ。「前の学校の友達にも広島の原爆のことを伝えたい」と話していた。(赤江裕紀、森岡恭子)

(2021年8月7日朝刊掲載)

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