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広島大平和教育 エジプトに拠点 ガララ大と署名式

 広島大とエジプトのガララ大がともにガララ大に設けた「ピースメモリアルセンター」の覚書の署名式が6日、広島市中区の広島大東千田キャンパスであった。センターはヒロシマの実相を伝える新たな教育拠点。コロナ禍の収束後、広島大が教員を派遣し、次代を担う人材育成を目指す。

 署名式には、広島大の越智光夫学長と、両大を仲介したエジプト大使館のアイマン・アリ・カーメル駐日大使が出席。ガララ大には一部屋のスペースが確保されており、越智学長は「平和を祈念する本学の思いを発信する役割を果たしたい」と強調した。カーメル大使は「さらに協力していく」と語った。

 両大は今年4月、歯学、工学、教育学などの教育協力に関する合意書を交わしていた。広島大のエジプトでの教育拠点は、カイロ大に続き2カ所目になる。

 東千田キャンパスではこの日、原爆死没者追悼式も営み、遺族たち約40人が参列した。遺族代表の奥田久美子さん(35)=東京都=は、祖父が広島工業専門学校(現広島大工学部)の授業中に被爆。「祖父のことを思うと、今の平和な日々が当たり前ではないように感じる」と話した。(石井雄一)

(2021年8月7日朝刊掲載)

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