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「直接の『確約』大きい」首相面会の原告 ヒロシマ8・6

 「黒い雨」を巡る訴訟の原告団長を務めた高野正明さんと、原告の高東征二さん(80)=広島市佐伯区=が、6日にあった平和記念式典の会場で菅義偉首相と直接言葉を交わした。上告断念を決断した首相に感謝し、原告以外の救済も求めた。

 2人によると、面会は首相が平和記念公園に到着した直後のわずかな時間だったという。一審に続き、原告全員を被爆者と認定した7月の広島高裁判決を受けた政府の上告断念を「英断だった」と感謝の言葉を伝えた。原告以外の被害者にも被爆者健康手帳を交付するよう要望。首相はその後の記者会見で、2人に対し「長い間ご苦労をお掛けした。(原告以外も)できるだけ迅速に進める」と述べたことを明らかにした。

 高野さんは「救済するという『確約』を直接もらえたのは大きい」。高東さんは「あれだけもめてきたが、首相は被爆の苦しみを分かってくれたのかもしれない。今年は特別な式典になった」と話した。(山崎雄一)

(2021年8月7日朝刊掲載)

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