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再結成桜隊 魂の朗読 東京 若手俳優ら

 広島原爆で9人全員が亡くなった移動演劇「桜隊」が6日、若手俳優たちによる同名劇団として再結成された。殉難碑のある東京都目黒区の五百羅漢寺で追悼記念公演に臨み、故新藤兼人監督(広島市佐伯区出身)の脚本を基にした朗読劇「ヒロシマ」を披露。志半ばで舞台の道を絶たれた演劇人の無念をしのんだ。

 首都圏で活動する俳優6人と、故大林宣彦監督の遺作「海辺の映画館―キネマの玉手箱」で桜隊を演じた俳優常盤貴子さん(49)、窪塚俊介さん(39)が共演。同寺での追悼行事に参加した約40人を前に、爆心地に近い堀川町(現中区)で被爆し、「絶対舞台に戻ってみせる」と願いながら亡くなっていった姿などを表現した。

 桜隊再結成に参加した中区出身の俳優平田みやびさん(22)は「隊員の魂と一緒に芝居をする気持ちで臨むことが供養になる」と先人に思いをはせ、平和を祈った。隊長だった故丸山定夫さんを大伯父に持つ渋谷真理子さん(63)=横浜市=は「魅力的な俳優だったと聞く。若い世代に桜隊を伝えてほしい」と願っていた。

 来年4月には広島市で上演を予定する。(境信重)

(2021年8月7日朝刊掲載)

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