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次世代 平和への願い新た 御調中生徒会 式典引き継ぐ 被爆者団体解散 元会員に千羽鶴

 尾道市御調町の御調中生徒会が6日、同町の原爆慰霊碑前で黙とうし、昨年9月に解散した同町原爆被害者協議会の元会員の2人に千羽鶴を手渡した。これまで生徒会は同協議会主催の8月6日の式典に参加していたが、平和を誓う行事として今後引き継ぐ。

 生徒会7人を代表し、3年木曽伶音(れおん)さん(15)が「取り組みを継承していきたい。被爆者の話を聞いて後輩たちに伝えます」とあいさつ。千羽鶴を受け取った金野鈴恵さん(78)は2歳での被爆体験に触れて「当時の中学生は工場で働いて原爆で死んだ。学校に通って勉強できる幸せを考えてほしい」と強調した。

 同協議会は1970年に結成し、原爆の日に式典を開いてきた。この日に合わせて、町内の3保育所と2高齢者施設がつくった千羽鶴も慰霊碑に手向けられた。金野さんと共に碑を管理する胎内被爆者の田中長子さん(75)は「会で一番若かった自分たちが幅広い世代に平和の大切さを伝えたい」と話した。(森田晃司)

(2021年8月7日朝刊掲載)

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