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次世代 平和への願い新た 世羅中生徒ら 76年前に思い 原爆に奪われた父

 広島県世羅町寺町の世羅中は6日、被爆者の広中正樹さん(81)=福山市手城町=の講演会を世羅町のせら文化センターで開いた。1~3年の生徒169人は、爆心地近くで被爆して翌日亡くなった広中さんの父親の最期などを聞き、平和の大切さを実感していた。

 広中さんは当時5歳で爆心地から約3・5キロの自宅そばで被爆。爆心地近くの電車内で被爆した父の一(はじめ)さん=当時(37)=は全身にやけどを負い、翌7日に亡くなった。広中さんが「背中に刺さったガラスを抜いてくれと言われたが、幼い自分にはできなかった。76年たっても、この話をすると涙が出る」と話すと、生徒はうなずくなどしていた。

 その後に3、4人のグループに分かれ、感想を言い合った。3年小西永遠(とわ)さん(15)は「実際に話を聞くと、想像して感情移入した。もし自分が5歳で同じ体験をしたらと思うとつらい」と話した。(矢野匡洋)

(2021年8月7日朝刊掲載)

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