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禎子さんの折り鶴 金属で 3D技術使い再現 福山のキャステム

 精密金属加工のキャステム(福山市)が、平和記念公園(広島市中区)の原爆の子の像のモデルとなった佐々木禎子さんが折った折り鶴を金属で再現し、東区のホールで披露した。禎子さんの兄雅弘さん(80)=福岡県那珂川市=から実物を借り、3Dスキャンの技術を生かして半年がかりで制作した。

 禎子さんが最後に病床で折った紙の鶴をステンレスで再現した。縦0・7センチ、横2・3センチ、重さ1グラム。100羽以上を試作し、折り目や表面のしわまで表現した。量産体制も整えた。

 雅弘さんによると、禎子さんの折り鶴は手元に2羽、原爆資料館(広島市中区)に100羽ほどしかない。「今回の製品は禎子の平和への思いそのもの。世界中に贈って平和を発信したい」と話す。

 キャステムがものづくりの技術を生かしたいと提案した。中区のおりづるタワーやインターネットで1羽1100円で販売。売り上げの一部は一般社団法人「禎子の折り鶴」に寄付し、社会貢献に生かす。(新山創)

(2021年8月7日朝刊掲載)

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