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段原中生 先輩を鎮魂 原爆死没者慰霊祭に570人 原爆の悲惨さ伝えていく

 広島市南区の段原中の原爆死没者慰霊祭が4日、同校の慰霊碑前であった。前身の市立第一国民学校は、中区昭和町付近で建物疎開作業中、生徒、教師計50人が原爆の犠牲となった。段原中の生徒や卒業生、住民たち約570人が参列し、冥福を祈った。(新本恭子)

 主催した一高会原爆慰霊碑建設委員会の美甘(みかも)進示副会長(87)が「平和をつくり出すため、自分に何ができるか常に考えてほしい」と生徒たちに伝えた。参列者の献花に続き、生徒が慰霊碑に折り鶴をささげた。

 慰霊祭に先立ち、原爆資料館前館長の前田耕一郎さん(64)が講演し、被爆体験を継承する大切さを訴えた。3年池田黎さん(14)は「同じ年ごろで犠牲になった先輩を思い、今の幸せを実感した。原爆の悲惨さは必ず伝えていきたい」と話していた。

(2013年8月5日朝刊掲載)

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