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音楽・被爆証言 平和願い配信 ビオラ奏者 沖西さんら

 被爆2世のビオラ奏者沖西慶子さん(56)=広島市安佐北区=たちが「広島原爆の日」の6日夜、「広島・長崎(1945)あの日を語る」と題して被爆証言や音楽演奏などをオンラインで生配信した。中区のライブハウス「クラブクリーム広島」から、動画投稿サイト「ユーチューブ」で平和への思いを全国に届けた。

 梶矢文昭さん(82)=安佐南区=は、爆心地から約1・8キロで被爆し、建物の下敷きになった体験を語った。近くにいた9歳の姉は即死した。「国同士が戦争すると、それまで仲が良かった人とも敵同士になってしまう」。戦争反対を力を込めて訴えた。

 広島市の被爆体験伝承者と、長崎市の家族証言者として活動する沖西さんは、長崎で被爆した母素子さん(86)の体験を話した。被爆死した素子さんのいとこ忠三さんが歌っていた軍歌「若鷲(わかわし)の歌」をビオラで演奏。さらに「長崎の鐘」などの平和の歌約10曲を、ピアニスト長沼靖子さん(57)=廿日市市=たちと一緒に披露した。

 沖西さんたちは、被爆者や伝承者が各地を訪れて活動する機会が新型コロナウイルス禍で難しくなっているのを受け、オンライン配信を企画した。(湯浅梨奈)

(2021年8月9日朝刊掲載)

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