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身近な戦争遺構知って 周防大島の佐藤さん 柳井で写真展

 柳井市近郊にある旧日本軍の遺構や戦争犠牲者の慰霊碑を紹介する写真展が、同市柳井、やない西蔵で開かれている。周防大島町戸田の佐藤正治さん(69)が撮影した33点が並ぶ。16日まで。

 昨年撮った写真を中心に、A4判にプリントして展示した。周防大島町西安下庄にある旧陸軍大島貯油所は、旧制安下庄中(現周防大島高)の生徒たちも学徒動員された。道路沿いに残る今の跡地は、すっかりツタや木に覆われ、荒廃した様子が伝わる。

 太平洋戦争末期に上関町沖で空襲を受けた特設運送艦聖川(きよかわ)丸の戦没者の供養塔(同町室津)や、米軍機が墜落し、連行された広島市内で被爆死した米兵たちの存在を伝える平和の碑(柳井市伊陸)など、各所でひっそりとたたずむ現状が分かる。

 2007年に写真展を始めた佐藤さんは「当時を知る人が少なくなり、調べるのも大変になった。写真を見て現地を訪れるきっかけにしてほしい」と話す。無料。(山本祐司)

(2021年8月12日朝刊掲載)

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