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輜重隊遺構 評価・保存の声 サカスタ予定地 広島で被爆者ら集会

 サッカースタジアム建設予定地の中央公園広場(広島市中区)で発掘された旧陸軍の輸送部隊「中国軍管区輜重(しちょう)兵補充隊(輜重隊)」施設の遺構について考える集会が13日、広島市中区の合人社ウェンディひと・まちプラザであった。専門家や被爆者、市民たち約20人が遺構の評価や保存の在り方について意見を交わした。

 県立広島大の鈴木康之教授(考古学)が講演。「国の史跡指定を受けられる可能性がある遺跡だ」との見方を示し、軍事施設などの専門家に幅広く評価を聞く必要性を説いた。また「市民は規模の大きさに感銘を受けている」などとして、遺構の一部を切り取って移設する市の方針では価値を損なう恐れがあるとした。

 続いて被爆建物に詳しい石丸紀興・元広島大教授が意見を述べ、「市はスタジアム建設のスケジュールありきで丁寧に議論していない」と指摘。参加した被爆者たちからは、撤去の前に保存の在り方を丁寧に議論するよう市に求める声が相次いだ。集会は市民団体「広島平和記念公園被爆遺構の保存を促進する会」が主催した。(水川恭輔)

(2021年8月16日朝刊掲載)

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